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新型コロナウイルス(COVID-19)によるwearaへの影響について

(2020/03/06)情報を更新しました

【2020.3.2更新情報】新型コロナウイルス(COVID-19)によるwearaへの影響について


毎日ニュースを凝視しながら、焦りを募らせているwearaプロデューサーのHossyです。本記事はトリニティのブログ「新型コロナウイルス(COVID-19)による当社のビジネス環境について」に記載した内容と一部重複しますが、wearaに関わる部分を追記して再構成しています。

はじめに。新型コロナウイルスは「COVID-19(CoronaVirus Disease, 2019)」という名前が世界保健機構(WHO)によって付けられたので、今後は新型という相対的な名称だと混同するために「COVID-19」と記載することにします。

COVID-19によるwearaの開発、生産に対する影響が大きくなってきています。以前に「wearaの開発体制について」という記事でご紹介したとおり、wearaのハードウェア開発は中国広東省深圳で行なっています。

本来、2020年の旧正月はだいたい2月2日くらいまでに終わり、2月3日くらいから再開して開発や生産が進む予定でした。しかし、COVID-19の影響により、wearaを含む当社製品を開発や製造委託している会社のほとんどが位置する広東省深圳市や東莞市では、政府の通達により少なくとも2月9日までは休業することを求められていました。一部、ソフトウェア開発は自宅にてリモートでやり取りすることで進められることがあるものの、そのほとんどが進められずにいました。

そして、ようやくそれが明けた2月10日からの全面再開を期待していたのですが、2月18日現在、操業を再開することができていません。これは大きく2つ理由があります。

1つ目は政府から工場や会社の稼働を再開するためには下記の条件をクリアし、なおかつ操業再開の5日前に衛生当局に操業再開にかかる申請書と感染防止管理の承諾書を提出し、監査を受けて許可をもらう必要があります。

  1. 感染の予防・抑制を着実に実施できること
  2. 従業員に対する検査を徹底的に実施できること
  3. 感染の予防にかかる物資(マスクや消毒液など)を十分確保できること
  4. 内部管理が行き届いていること

操業再開は北京市や四川省などに限定、深センは報告制度を実施(中国) | ビジネス短信 – ジェトロ

私自身は詳細の通達を見ていないので分かりませんが、マスクも工員1名に対して1日に最低2枚を用意するなど、wearaの開発・製造委託している会社は200人以上いますので1日に400枚のマスクが必要で、それが毎日必要となります。その他の項目も詳細がよく分からない状況があったりするようで、申請自体ができない、もしくは申請していても許可をもらえないという状態のようです。

広東省には星の数ほどの工場や会社があり、それらが一斉に申請しているので政府側も対応が追いつかないのではないかというのと、これは私の推測に過ぎないのですが、広東省政府側も再開を許可して万が一その工場からCOVID-19が発覚したら責任を取れないので、許可しづらいのではないかということもあります。

また、中国のほぼ全土に渡って移動が制限されているため、旧正月で実家に帰省した人たちが深圳や東莞に戻ってくることができないという問題が、もう1つです。たとえ、操業再開の許可が下りたとしても、社員や工員が戻ってこなければ何も仕事は進められません。普段、一緒にwearaを開発しているエンジニアたちも実家で足止めをくらってしまっていて、単にコミュニケーションだけはできるものの開発を進めることができずにいます。

2月18日現在、操業を再開できる見込みがなく、その後の明確な見通しも立っていないというのが現状です。

元々、wearaの発売を1月としていたところで開発の遅れにより「2月以降」とさせていただいており、ベータテスト自体は2月の旧正月明けに調整をした後に開始し、その状況次第で量産、出荷、発売開始にこぎ着けようと目論んでいたところが大幅に狂ってしまっているのが実情です。

中国政府や関係者も必死にCOVID-19の封じ込めをしており、中国にいるスタッフからの報告では戦時のような厳戒態勢が敷かれているということでした。私たちとしては、この状況に対して何かできることはなく、日本においてできるアプリやサーバーの開発を進めていくしかありません。

もしかすると、早く終息に向かうかもしれませんし、考えたくもないですが拡大していく可能性も否定できません。状況は刻一刻と変わり、中国政府の対応も日々変わっているので来週操業再開ができるかもしれません。状況は随時アップデートしていきますが、wearaの開発に大きな遅延が発生することは間違いありません。

再開後は全力でリカバリーしていく所存ではありますが、すでに予約をしていただいているたくさんの方々、ベータテストに登録していただいている方々には、さらにお待たせしてしまう可能性が高いという状況だけはご説明をしておこうということでこの記事を作成しました。引き続き、wearaにご期待いただき、お待ちいただければ幸いです。

ミュージシャンになるつもりで青春時代をかけた音楽からMacの道に入り、その後にApple周辺機器を販売するトリニティ株式会社を起業。オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。口癖は「諦めたらそこで試合終了」と「宝くじは買わなければ当たらない」。