

快眠につながる寝室環境の作り方 – 音と光編
寝室環境の善し悪しを左右する三大要素は温湿度、音、光。前回は温湿度についてお届けしました。今回は音と光にフォーカスしてみます。
Contents
眠りやすいのは何デシベル以下の環境?
身のまわりで発生する生活音がどれくらいか考えたことはありますか。
たとえば玄関チャイムや水洗トイレを流す音は80デシベルです。電話の着信音は約60デシベル(もちろん人によって設定は違いますが)。電気掃除機や洗濯機は70デシベル。パチンという音の壁のスイッチは50デシベルといわれています。
では、寝るときはどれくらいまでならOKでしょうか。
答えは40デシベル以下です。高級車の中や昼間の静かな図書館などが40デシベル程度に相当します。40デシベルを超える突発音で目が覚めるなど睡眠が妨害され、60デシベルを超えると、軽度の睡眠障害が起こるとされています。また、連続する騒音は慣れることもあり、突発的な音のほうが目が覚めたりしやすいといわれています。
連続的な騒音に悩まされている場合は、防音対策が必要になります。防音性の高い外壁を使ったり、窓を二重にする、遮音性の高い窓ガラスを使うといった方法がありますが、賃貸では難しいですね。そんなときは遮音性の高い厚手のカーテンをしたり、カーテンを二重にすることで外部からの騒音を軽減できる場合があります。
騒音の種類にもよりますが、どうしても気になる場合はノイズキャンセリングイヤホンが有効な場合もありますよ。
寝室の照明はどれくらいがおすすめ?
朝の光には体を覚醒させ、体内時計をリセットできる力があります。逆に夜に浴びると、睡眠を妨害する可能性があります。これは睡眠ホルモンの「メラトニン」が、500ルクス以上の光(特に青白い光)を浴びると分泌が抑制されるためです。
メラトニンは寝る1時間ほど前から分泌が始まり、分泌は起きるころまで続きます。つまり夜、自然な眠気のもとで適切な時間に眠り、スッキリ起きたいなら光をコントロールしたほうがいいということです。
全然眠くならない・・・・・・を防ぐには、寝る2時間ほど前から、室内の照明を落ちついた暖色系に変えてみましょう。最近では色の切り替えができるシーリングライトがありますね。交換できない場合は、別途暖色系の間接照明を導入してもいいですね。
寝る直前までブルーライト入りの蛍光灯を煌々とつけているという方は、ぜひお試しください。バーのような照明の中にいると、少しずつ眠くなってくるのがわかるはずです。
寝る直前には落ちついたバー程度の光量(約50ルクス)まで落とし、寝るときは月明かり程度(3ルクス)にしてみましょう。完全に真っ暗が好きという方もいますが、真っ暗では不安という方は睡眠深度が低下しますので、人影がうっすらわかる程度の光がおすすめです。
自動的に照明を切り替えられるなら、朝は白色系の光の照度を徐々にあげていくと、光が目覚まし代わりになります。
高齢者がいる家庭は配慮が必要になる
なお、睡眠の質が低下しがちな高齢者には、温湿度、音、光いずれも配慮が必要になります。冬季はヒートショックを防ぐために、廊下やトイレの温度差を減らす必要があります。また騒音にも敏感になりますし、夜間のトイレでは、照明が明るすぎると再入眠しにくくなります。ご家族で相談して対策をするといいでしょう。