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5分で効くストレスケア! 自然の中で体を動かす「グリーンエクササイズ」のスゴい効果

軽く体を動かすだけでも、継続的に行なうことで健康効果やストレス緩和の効果がみられます。

なかでも最近注目されているのが、自然の中でウォーキングやジョギング、ヨガなどを楽しむ「グリーンエクササイズ」です。

屋内でのエクササイズと比較して、短時間でもストレスを軽減、気持ちをリフレッシュでき、メンタル面への高いプラスの効果が期待できます。

今回の記事では

  • 5分で効果の出る“グリーンエクササイズ”のやり方と効果
  • グリーンエクササイズの効果がよくわかる実例

をご紹介していきます。

 

開始5分で気持ちが前向きに

2010年に英国のエセックス大学は性別年齢に偏りのない1,252人を対象に、森林や農地、水辺など自然が豊富な環境でウォーキングやサイクリング、乗馬、ガーデニング、農作業などで体を動かした際に見られるメンタルへの影響を調査しました。

この調査により

  • 自然の中で体を動かすと、始めてから5分で気持ちが前向きになり気分が向上、自尊心の低下状態が改善する
  • 水のある環境(ビーチや水辺など)でのエクササイズはより高い効果を発揮する
  • スポーツの種類やエクササイズの内容の違いによるメンタル改善効果に有意差はみられない

ということが明らかになりました。

 

グリーンエクササイズは時間や体力がなくても誰でもできる

こうしたことから、グリーンエクササイズは老若男女問わず、時間のない人でも、自然のある場所なら気軽に効果を実感することができることが分かります。

グリーンエクササイズのやり方のルールは、「自然の中で体を動かす」のみです。

 

都市緑地でのウォーキングでも見られたメンタル改善効果

同様の研究は日本でも行なわれています。

2010年に千葉大学が男子大学生18名を対象に行なった研究調査では、新宿御苑内と新宿駅周辺をウォーキングした場合、新宿駅と比較し、新宿御苑では平均で約2.0%の心拍数の低下が見られることが分かりました。

また、新宿御苑では新宿駅と比べ、被験者の主観において「快適感」「自然感」「鎮静感」に有意な上昇が見られました。

この結果からも、自然の中で体を動かすことのメンタルへのプラスの効果が見て取れます。

それだけでなく、わざわざ自然の多い場所を探して行かなくても、都市の中でも緑があるところなら充分効果が見られることが分かります。

買い物帰りに近くの緑のある場所を歩いたり、広い公園を散歩するのも良いですね。

このほかにも、韓国ソウルでのうつ病の治療において、認知行動療法と合わせて木々や高原植物の豊富な公園での散歩を行なうと、認知行動療法のみの場合と比較して約3倍もうつ状態が改善することが明らかになっています。

また、オーストリアでの自殺未遂をした患者の治療に山でのハイキングを加えると、自殺念慮や絶望感が緩和するという調査結果が出た例もあり、世界中にグリーンエクササイズの効果の広がりを見ることができます。

道具も準備も必要としないグリーンエクササイズで、心の健康をしっかりと維持したいですね。

 

参考文献:ケリー・マクゴニガル「スタンフォード式 人生を変える運動の科学」 大和書房,2020年,p.206-212

千葉大学「大規模都市緑地における歩行がもたらす生理的影響 : 新宿御苑における実験」 日本生理人類学会誌,Vol.16,2011,p.133-139

University of Essex「What is the Best Dose of Natureand Green Exercise for ImprovingMental Health? A Multi-StudyAnalysis」 Environmental Science and Technology,44,2010,p.3947-3955

★★★weara元担当のすずまりさんと、らいらさんの記事を「weara blog編集部」としてこちらのアカウントにまとめています。★★★