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”コロナうつ”にも効果大? 運動がもたらすうつの予防と改善効果

日本では年々うつ病に苦しむ人が増えています。

厚生労働省の精神疾患の患者数調査によると、うつ病で医療機関にかかっている人の数は、平成14年ではおよそ71万人でしたが、平成29年では127万9千人にまで増えています。新型コロナウイルスがまん延したことで健康や経済は大きなダメージを受け、今後、さらにうつ病患者の数は増えることが予想されます。

日常生活で誰でもでき、大きな予防効果があるものとして、おすすめできるのが継続的な運動です。

この記事では、運動の持つうつ予防、改善の驚くべき力についてお伝えします。

 

運動が抗うつ剤とほぼ同等の効果を発揮

持続的な運動が抗うつ剤に遜色ない効果があることを明らかにした研究調査があります。

1999年に米国のデューク大学医学部のブルメンタール博士らは、うつ病患者156人を抗うつ剤を使用するグループ、継続的な運動を行うグループ、抗うつ剤と運動を併用するグループの3つに分け、4ヶ月をかけ調査しました。

この結果、抗うつ剤を使用したグループは68.8%、運動を行ったグループは60.4%、抗うつ剤と運動を併用したグループでは65.5%の人でうつ状態が改善しました。

抗うつ剤を投与しなくても、運動だけでそれに近い改善効果が見られることが分かったのです。

 

運動で脳内のセロトニンが増加

2014年に大阪大学の近藤誠博士らがマウスを使って行なった研究調査で、持続的に運動を行なわせたマウスの海馬ではセロトニンが増え、セロトニン放出をコントロールし、体内への伝達を活性化させるセロトニン3型受容体と結合し、海馬の神経新生を増やすことが分かりました。

海馬の神経新生は低下すると不安障害や抑うつを引き起こすことが分かっており、この研究結果により、運動によって神経新生を回復させることでうつが抑制されるが明らかになったのです。

 

週3回の運動を継続してうつを予防

ラットを使った別の実験では、21日間運動をさせたところ、恐怖反応やストレス反応に関わる脳幹と前頭前皮質が変化し、ラットがストレスの多い状況でも平常時と同じようにうまく対応できるようになりました。

人でも、週3回の運動を6週間続けると、ラットのケースと同じような効果が得られることが分かっています。

さらに、運動をした時に筋肉から分泌される乳酸は、体内の血管を通り脳にたどり着き、神経系統に作用し不安の緩和やうつ病を予防する効果があることが明らかになっています。

無理のない範囲で継続して運動を楽しみながら、うつ病を予防していきたいですね。

 

参考文献:ケリー・マクゴニガル「スタンフォード式 人生を変える運動の科学」 大和書房,2020年,p.78-94

ジェームズ・ブルメンタール「大うつ病の高齢患者に対する運動トレーニングの効果」Arch Intern Med,159,1999,p.2349–2356

Makoto Kondo「The 5-HT3 Receptor Is Essential for Exercise-Induced Hippocampal Neurogenesis and Antidepressant Effects」Mol Psychiatry,2015,p.1428-1437

参考URL:大阪大学公式HPより「運動と同じメカニズムの 抗うつ薬の開発に挑む 〜『脳を知りたい』知的好奇心が原動力

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