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コミュ障は運動で改善!? 継続的な運動が人とのつながりを強くする

日本が抱える重要な社会課題の一つ、少子・高齢化問題。社会の高齢化は年々進んでおり、2018年10月には65歳以上の人が全人口の28.1%となりました。

高齢化の進行に伴い、ひとり暮らしの人の社会孤立の問題が深刻化しています。高齢者に限らず、新型コロナウイルスの感染拡大など、有事におけるひとり暮らしの人や母子家庭の孤立化は重要な社会課題となっています。

そんな中、孤立防止のために注目され始めたのが、“継続的な運動”です。

今回は健康や心理面だけでなく、人付き合いや社会生活にも良い効果をもたらす運動について見ていきます。

 

継続的な運動で80%が人付き合いの促進を経験

持続的な運動が健康面や精神面に良い効果をもたらすことは広く知られていますが、運動で分泌される脳内物質が、人付き合いへの不安を緩和し、協力や団結を促進することは意外に知られていないようです。

2011年に京都府立医科大学の木村みさか博士らが行なった、4年以上スポーツクラブに在籍し、継続的に運動を行なっている高齢者への研究調査で、対象者の80%が「人付きあいがよくなった」と感じていることが明らかになりました。

ほかにも、「活発になった」(70.8%),「明るくなった」(65.4%),「考え方が前向きになった」(60.0%)「人間関係がひろがった」(88.9%)と人間関係の拡がりや結びつきを示唆する回答が見られたのです。

運動を継続的に行った場合、気持ちが明るく前向きになり、人間関係においても自分から積極的に交流を図り、親睦を深めたくなるという効果があると言えそうです。

 

運動が人とのつながりを強くする

イタリア ローマ・ラ・サピエンツァ大学による実験は、運動が人とのつながりを強くすることを裏付けています。

この実験では、参加者たちが共有の資金の積み立てのために各自献金を行う経済ゲームを行いました。各自の献金が大きくなるほど、参加者全員の利益が大きくなる仕組みです。

この実験の結果、参加者が経済ゲームを行う前に30分間の運動をした場合、運動をしなかった場合にくらべて献金額が大きいことが分かったのです。

運動がもたらす高揚感や気持ちの変化が人とのつながりを強め、その結果、報酬を分けあったり協力する喜びが強くなるのではないでしょうか?

これは私たちの日常生活においても、良く見られる光景です。

チームスポーツや協力して何かをやり遂げたあと、打ち上げを行う人は多いですね。おいしいお酒と食事をしながら成果を喜びあうことも、その一つかもしれません。

現代は個人一人ひとりの自由やプライベートが尊重される反面、他人に対しては関わらない、無関心な個人化社会になりつつあります。

高齢化が進み、ひとり世帯が増える中で、運動は人間同士のつながりを維持し、社会孤立を防ぐための重要なキーになるでしょう。

 

参考文献:ケリー・マクゴニガル「スタンフォード式 人生を変える運動の科学」 大和書房,2020年,p.42-58

財団法人体育科学センター「高齢者における継続的な運動・スポーツが体力および情緒・行動面に及ぼす影響-運動クラブに所属する高齢者の4年後の追跡調査-」 体育科学, 第 28巻 ,1999年,p.82-91

内閣府「令和元年版高齢社会白書」

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