

【#StayHomeでも運動すべき理由】コロナうつを予防する「持続的な運動」のススメ
コロナ感染対策で長期の自粛生活や在宅勤務を続ける方が多いですね。感染防止のための健康管理は重要ですが、長引く普段とは違う生活の中、精神面への影響も心配されています。
CNN(米国勢調査局)が約7万4,000の米国世帯に対して行った、コロナウィルスまん延後の精神状態についてのアンケート調査では
- ほぼ毎日、気分の落ち込みなどを感じている(成人の18.6%)
- 何かをやることに関心や興味をほとんど持てない(21.4%)
という結果が出ており、多くの人がコロナウイルスにより、精神的にも大きなダメージを受けていることが分かります。
積み重なる精神面への悪影響により、うつ状態になってしまう“コロナうつ”というワードも広まってきています。
コロナうつになってしまうのを防ぐためには、負荷の強すぎない持続的な運動が効果的です。ウォーキングやジョギング、ハイキングなどで持久力を発揮する運動を行なうことは、気分の落ち込みを防ぎ、ストレスの解消や生きるモチベーションにつながるのです。
この記事では
- 持続的な運動が心理的に良い影響を及ぼす理由
- 持続的な運動が生む精神面への健康効果
についてお伝えします。
Contents
運動がもたらす“幸福ホルモン”エンドルフィン
神経伝達物質エンドルフィンをご存じの方も多いのではないでしょうか?
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、エンドルフィンは脳内で働く神経伝達物質の一種で鎮痛効果や気分の高揚・幸福感などが得られるものと紹介されています。
さらに、マラソンなどで苦しい状態が一定時間以上続くと、エンドルフィンが分泌され、やがて快感や陶酔感を覚えるとあり、運動によりエンドルフィンの効果が得られることが分かります。ランナーズハイと呼ばれる状態はいい例ですね。
このほかにも運動により多くの脳内化学物質が活性化し、高揚感や幸福感、不安を和らげることにつながることも明らかになっています。
体を動かすことにより、脳は喜びを生み出し、それらがあなたに生きるためのエネルギーや希望、目的意識をもたらすのです。
運動が不安感や抑うつ感を低下させる
1998年に西九州大学と鹿屋体育大学が行った運動後の精神状態の変化の調査結果によると、週2回のペースで有酸素運動を約2カ月間行った被験者では、不安感、抑うつ感を示す値に著明な低下が見られることが明らかになりました。
また愉快さ、活動性、社会的愛情や活力、積極性については増加する結果となっています。
この研究結果からも習慣的、長期的な運動がメンタルに良い影響を及ぼすことが分かります。
運動は生きる喜びを実感させてくれる
太陽の下で運動や体を動かすと、自然とのつながりや自然の偉大さを感じることができます。
また、体を動かすことは自己表現や新しいなにかを習得すること、人とつながることにも結びついています。
コロナウイルスのまん延により、心身に受けたダメージやストレスを無理のない運動で上手く発散し、前に進んで行きたいですね。
参考文献:ケリー・マクゴニガル「スタンフォード式 人生を変える運動の科学」 大和書房,2020年,p.16-23
西九州大学・鹿屋体育大学「有酸素運動が体力および精神状態に及ぼす長期的影響と短期的精神影響」 心身医学,38 巻 4 号,1998 年 , p. 259-266