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睡眠の質を上げたいなら「寝るときに何を着るか」も問題だ

睡眠の質を上げるには、まず生活習慣を整えることが大切です。しかし忘れてはいけないのが環境。安眠するためには、安全かつ快適に眠ることができる要素がそろっていなくてはなりません。

中でも寝るときに何を着るかというのは、意外と無視できないテーマです。なぜならそれが睡眠の質に影響している場合もあるからです。

あなたはパジャマ、どうしてる?

あなたは寝るとき、何を着ていますか? 中には何も着ないという方もいらっしゃると思いますが、多くの場合、何かを着て寝ているはずです。

その実態は、年齢、性別、季節、年代に影響されますが、若者の場合、1990年代以降になると、男女ともに「就寝時に着る専用の衣服」、いわゆる寝巻きやパジャマ以外が増加しました。2000年以降では、80%がスウェット、短パン、Tシャツになっているといいます。そのまま近所のコンビニにでかけられるような、部屋着とパジャマが併用されている状態だそうです。あ、自分も! と思った方も多そうですね。

パジャマの役割とは?

就寝時にまとう衣類は、寝ている間の体温調節を補助する役割が大きいですが、実はそれだけではありません。寝ている間に生じる汗、皮脂、垢を吸収して、皮膚や寝具を清潔に保つほか、身体を守る役割もあります。

汗、皮脂、垢などの汚れが生じることは防げません。パジャマを着ないとそれがシーツや布団カバーなど、広範囲に影響します。体から生じた有機質の汚れは、酸化したり微生物に分解されたりして、細菌の繁殖や臭いのもとになります。汚れそのものが付着することで、寝具の通気性や吸水性、肌触りの低下にも繋がります。

汚れた寝具を使うことは、それだけで快眠が遠ざかりそうですよね。洗濯しやすいパジャマを着ることで寝具まわりを衛生的かつ快適に保ちやすいというメリットもあるのです。

快眠パジャマの条件は素材、肌触り、形、着脱のしやすさ

ではどんなパジャマがいいでしょうか。

まず気にしたいのは素材でしょう。柔らかいパジャマは副交感神経が優位になりやすく、入眠に有効であると報告されています。

しかし、柔らかければなんでもいいわけではありません。おすすめは吸放湿性に優れ、肌触りもいいシルクや綿です。

ナイロンやポリエステルの場合、就寝中の発汗でべたついたり、蒸れたりして睡眠が中断する怖れがあります。特に冬季は寒いからといって、起毛の化学繊維のシャツを着てしまうと、汗が吸収されないことで蒸れるだけでなく、その汗によって体が冷えてしまう可能性もあるので注意が必要です。

このほかに寝乱れしにくく、寝返りなどの体を動がしやすいサイズや形、着脱のしやすさ、洗濯に耐える丈夫さ、防炎・難燃性などもポイントです。

下着で体を締め付けないように注意しよう

ゆったりした上質なパジャマは、それだけでよく眠れそうな気がしますね。でもそこでもう1点注意したいことがあります。それは下着です。

よい眠りを続けるためには、睡眠中の体温変動がスムーズに行なわれることが重要。しかし就寝時の下着の締め付けが、睡眠時の体温調節に影響を及ぼすという報告があります。下着で体が締め付けられるほど、深部体温の低下を遅らせるそうです。

パジャマを変えてみたり、就寝中の下着に気を使ってみるだけで、睡眠の質が向上する可能性もありますから、ぜひチェックしてみてくださいね。

<参考文献>

日本睡眠改善協議会 基礎講座 睡眠改善学 第2版(ゆまに書房)
日本睡眠改善協議会 応用講座 睡眠改善学 (ゆまに書房)

★★★weara元担当のすずまりさんと、らいらさんの記事を「weara blog編集部」としてこちらのアカウントにまとめています。★★★