快眠につながる寝具選びのコツ – 敷き寝具&枕編
前回はいい眠りのために大切な寝衣(パジャマ)のお話をしました。
今回は枕、掛け布団、マットレスなどの寝具について、選ぶ際に意識したい点をお伝えします。
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ふとんとベッド、どちらがいい!?
ふとんとベッド、どちらがいいか考えたことはありませんか。
ふとんは畳んでしまうことで、部屋が広く使えるというメリットがありますが、毎回出し入れが面倒ですよね。ホコリも舞いやすくなります。その点、ベッドは常設ですから便利です。しかしその分部屋が狭くなります。専用の寝室があればいいですが、ワンルームだと考えてしまいますね。
では、よい睡眠を得るためという視点で考えるとどうでしょうか。実はベッドのほうに軍配があがります。理由は床との距離があることです。
床から離れているベッドには、寝ている間ホコリを吸いこみにくい、床の冷たさ、振動、音が伝わりにくい、足腰が弱っている場合に寝起きしやすいという利点があります。
いい敷き寝具の条件
世の中にはさまざまな敷き布団(マットレス、敷き布団)が売られています。買い換えるときに気をつけたいポイントは3つあります。
1つめは柔らかすぎず、適度な固さがあり、正しい寝姿勢を保てること。寝姿勢とは字のごとく、寝ているときの姿勢です。上を向いて寝るなら、リラックスして直立しているときの姿勢が参考になります。それが寝た姿勢でも再現できているかどうかがポイント。横向き寝が好きな方は、背骨がS字にならないような固さが理想です。いずれも極端に腰が沈むものは避けましょう。
2つめは寝返りがしやすいこと。これは固さにも関係ありますが、広さも大切です。寝返りをうつときに「よいしょ」と意識しなければならないなら、あまり合っていないかもしれません。人は一晩に何度も寝返りをうちますから、コロコロと寝返りやすいものがおすすめです。
3つめは吸湿性、通気性に優れていること。寝ている間にコップ1枚の汗をかくと言われていますが、その多くは下、つまりマットレスや敷き布団に吸い込まれていきます。このときに吸湿性や通気性が低いと、寝具と人体の間にできる空間の温度と湿度(=寝床内気候)が蒸れて高温多湿の夏状態になり、寝苦しくなってしまいます。
シーツや敷き寝具の下の環境も重要
この吸湿性、通気性は、敷き寝具そのもののほかにも、シーツの機能性やどこで寝ているかにも影響を受けます。敷き寝具自体は通気性に優れていても、シーツがフリースタイプでは吸湿性が妨げられ、はやり寝床内気候が熱帯状態に。また、床に直接敷いて寝ていたら同じですね。
ベッドを使えない場合でも、敷きぶとんの下に折りたたみのすのこやゴザを入れると放熱性があがり、通気性も確保できます。
枕は寝付きや睡眠の質に影響を与える
敷き寝具を選ぶとき、その寝姿勢にこだわるほうがいいことをお伝えしましたが、このとき欠かせない存在が枕です。枕で寝姿勢が変わってしまいますから、枕と敷き寝具は目的に合わせてセットで考えるべき寝具です。
枕は頭をのせるものと思っているかもしれませんが、実は首を支えます。自分に合った枕を使うと(そして敷き寝具に合っていれば)、睡眠の質を上げて、疲労を回復してくれます。逆に、起きたときに肩が凝っていたり、首や腕に違和感があるときは、枕が合っていない可能性があります。
選ぶときは触り心地も大切ですが、実際に頭をのせて横になってみましょう。上を向いて寝たときは、しっかりフィットし、少し顎が引けた状態になるのが目安です。横向き寝のときは、背骨のラインと頸椎のラインがまっすぐになる高さが理想です。寝返りしやすければさらにGOOD!
とはいえ、これは実際に使っているマットレスと合わせてはじめてわかること。固さや角度などがある程度合うものを見つけたら、気持ち低めでも構いません。低いときは、枕の下にバスタオルなどを畳んで入れて調整できるからです。
枕を使い分けよう
枕は1つに決める必要はありません。夏用、冬用、または気分で使いわけてもいいですね。
また、枕の良さと価格は連動しません。1,000円の枕がぴったりということもあります。枕を変えただけで睡眠の質が変わったり、いびきが止まったりすることもありますから、どんどん試してみましょう。
<参考文献>
日本睡眠改善協議会 基礎講座 睡眠改善学 第2版(ゆまに書房)
日本睡眠改善協議会 応用講座 睡眠改善学 (ゆまに書房)
白川修一郎「命を縮める『睡眠負債』を解消する 科学的に正しい最速の方法(祥伝社)