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美しくなりたかったら眠りなさい 睡眠と美容の深い関係

女性はもちろん、最近では男性の中にも美容に興味を持つ人が増えているようです。効果的なスキンケアの情報をリサーチし、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの美肌成分を含むパックや化粧品で毎日ケアをされている人も多いのではないでしょうか。

そんな人にぜひお伝えしたいのが、睡眠不足と美容の関係です。

睡眠不足が借金のように蓄積する“睡眠負債”。実はこの睡眠負債が美容に大きなマイナスの影響を与えるのです。

今回は、

「睡眠負債がどのように美容に関わってくるのか」

「美肌の維持やアンチエイジングに役立つ睡眠をとるために注意したい生活ポイント」

についてお伝えします。

 

規則正しい睡眠が皮膚細胞が再生させる

体内時計と標準時間

人間の体の中にはたくさんの体内時計があり、脳にある体内時計がこれらのマスタークロックの役割をしています。

このマスタークロックの人間の睡眠への支配力は乏しく、例えば午前2時に毎日就寝する人では、体内時計の午前2時が実際の時刻の午前0時となります。

実際の時刻が午前0時になったから眠くなるのではなく、就寝した時間が体内時計の時間を決めるのですね。

皮膚細胞の再生のピークは、体内時計(サーカディアン・タイム:CT)の午前2~3時頃。

しかし、不規則な就寝時間が続くと、体はいつが午前2~3時なのかが分からなくなってしまい、皮膚細胞の再生が行われにくくなってしまうのです。

 

不規則な睡眠が成長ホルモンの分泌を減少させる

皮膚細胞はタンパク質の合成により再生されます。このタンパク質の合成に不可欠なのが成長ホルモンです。

成長ホルモンは主に睡眠中に分泌されます。不規則な生活によって睡眠がとれない状態では、充分な量の成長ホルモンが分泌されず、皮膚細胞が再生されにくくなってしまいます。

成長ホルモンの分泌量は20歳前がもっとも多く、25歳を過ぎると急速に低下します。しかし、睡眠中に限っては35歳~70歳までほとんど分泌能力に差がないことが分かっています。

また、午後10時~午前2時が肌再生のゴールデンタイムとする説がありますが、実際には就寝時刻がこれとは少々ずれていても問題はなく、規則的な睡眠習慣と睡眠時間をとっていれば成長ホルモンは分泌されます。不規則な就寝時間や、睡眠時間が短かったり頻繁に分断されることにより、成長ホルモンの分泌は阻害されるのです。

せっかくの美肌維持チャンスを不規則な生活によって逃してしまうのはもったいないですよね。

 

睡眠負債が顔やスタイルにまで影響する理由

睡眠不足が続くと、睡眠中に交感神経を休めることができなくなってしまい、翌日の覚醒時に交感神経が高ぶった状態になることが多くなります。すると、顔の毛細血管が収縮し血流が低下するために、肌の色がくすんで青黒く見えてしまうようになります。

また、深い眠りのノンレム睡眠には筋肉を弛緩させる働きがあります。睡眠負債で強い眠気があると、覚醒中でもノンレム睡眠の力が混入し、筋肉を弛緩させ、顔にたるみを生じさせます。

寝不足の日の翌日、「眠たそう」と周りに指摘されたことはないでしょうか?

顔の筋肉がゆるみ、覇気のない表情になってしまうことでそのような印象を与えるのかもしれません。

顔だけでなく、姿勢にも影響があらわれます。睡眠負債により、姿勢制御機能を持つ小脳が充分に休息できないことで、安定した姿勢を維持することが難しくなり、崩れた姿勢やだらしなく見える状態になってしまうのです。

 

美容に良い睡眠をとるためのポイント

睡眠は美肌の維持やアンチエイジングに役立つ、最高の美容エキスになりえるものです。

睡眠の効果を最大限に得るためには、規則正しい就寝・起床を心がけ、体内時計のリズムを狂わせないように過ごすことが重要なポイントとなります。

毎日の睡眠を味方につけて、健康で美しい心身を維持していきたいですね。

 

参考文献:白川修一郎「命を縮める『睡眠負債』を解消する 科学的に正しい最速の方法 祥伝社,2018年,p.120-130