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【新型コロナ対策】睡眠負債は免疫力を低下させる!今からでもしっかり眠るための3つのコツ

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を防ぐには、一人ひとりができる対策を知っておくことが大切です。

首相官邸ホームページには、個人ができる対策として「3つの密を避ける」「石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒」のほかに、「十分な睡眠をとることも重要」と明記されています。

画像:首相官邸「新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~

 

裏を返せば、睡眠負債が蓄積された状態では、感染のリスクが高まる可能性があるということ。

睡眠負債とは、負債・借金・債務のように毎日積み重なる睡眠不足を表した言葉で、返済が必要なものです。睡眠負債は人間の心身にあらゆる悪影響を与えると言われていますが、なかでも今注目したいのが免疫力との関係。

睡眠負債は免疫力にどんな影響を与えるのでしょうか? そして、睡眠負債を抱えないためにはどうしたらよいのでしょうか?

今回はこの2つについてお伝えしていきます。

 

睡眠負債で風邪をひきやすくなる

過去1週間に7時間睡眠をとれなかった人は、とれた人よりはるかに風邪をひく確率が高いという驚くべき結果を示す調査があります。

2015年にカリフォルニア大学の精神医学博士アリック・プレイサーの研究論文によると、睡眠時間が5時間未満の人では4.50倍、5~6時間では4.24倍、7時間睡眠をとった人より高い確率を示しました。

また、日本でもこれより前になりますが、2003年に国立保健医療科学院の研究者、土井由利子統括研究官の研究で、睡眠負債を抱える事務系労働者の病欠リスクがそうでない人にくらべ1.89倍も高いということが明らかになっています。

これらはいずれも睡眠負債が引き起こす免疫力の低下が一因になっていると考えられます。

 

睡眠負債がウィルスへの感染率を高める

現在、世界的に健康や経済に甚大な被害をもたらしている新型コロナウィルス感染症。

世界中の専門家によって、有効なワクチンや薬の研究開発が行なわれていますが、治療に利用できるようになるまでにはかなり時間が必要なようです。

私たちが自分でできる、効果的なコロナ対策の1つとして、免疫力を高めることがあります。

アメリカの健康心理学者、シェルドン・コーエン博士の研究でも、ライノウィルスという鼻風邪のウィルスの感染発症率を調査する実験において、睡眠の質が悪化している人では2人に1人、50%が感染発症したという結果が出ています。一方、睡眠が良好な人では7人に1人という数値が報告されています。

通常、ウィルスは接触による感染や飛沫感染により細胞内に侵入し、増殖し発症します。新型コロナウィルスも、接近しての会話や接触による感染が示唆されていますね。

ただ、感染したからといって必ずしも発症するわけではなく、症状が現れない人や軽い症状で回復する人もいます。これは、感染した人の免疫力の強さや環境要因に由来するといわれています。

免疫力にはストレスや食事、そして睡眠の質が深く関係しています。特に免疫力は睡眠時に維持・強化されるため、この2つは大きく関わっていると言えます。

新型コロナウィルスに対抗するためにも、よりよい睡眠で免疫力を活性化させたいですね。

 

睡眠負債を抱えないためにできること

睡眠負債を抱えないためには、十分な睡眠時間と質の良い睡眠の確保が大切です。ここからは、今日からできるよりよい睡眠を得るための方法をご紹介します。

 

規則正しい生活を心がける

睡眠の質は、交感神経と副交感神経という自律神経のバランスが密接に関わっています。

自律神経は不規則な就寝・起床・食事やストレスによって簡単に崩れてしまいます。

忙しい現代人の私たちにとっては、簡単ではありませんが、免疫力が今命に関わるからこそ規則正しい生活を意識していきたいですね。

 

適度に体を動かす

新型コロナウィルスの影響によって、在宅勤務や外出の自粛など、じっとしていなければならない状態が続いています。

適度な運動は自律神経を整え、ストレスを溜めないことにも役立ちます。

ラジオ体操でもかまいません。毎日わずかでも体を動かすことを続けていきましょう。

 

眠る前の環境を整える

眠る前には交感神経から副交感神経にうまく切り替えを行えるように、以下のことに注意するのがおすすめです。

  • 1日の始まり、朝起きたらすぐにカーテンを開ける
  • 眠る2時間前以降の運動や入浴はひかえる
  • できれば夕食は眠る4時間前にはとる
  • 眠る30分前からPCや携帯電話の使用はひかえる
  • 眠る30分前から寝室は間接照明を利用する


睡眠負債が免疫力にあたえる影響や、よりよい睡眠を得られるために日常でできる方法をお伝えしました。

睡眠負債をためない生活で免疫力を高め、心身ともに健康な生活を送りたいですね。

 

参考文献:白川修一郎「命を縮める『睡眠負債』を解消する 科学的に正しい最速の方法」祥伝社,2018年,p.83-86

メディカルオンライン「Behaviorally Assessed Sleep and Susceptibility to the Common Cold」SLEEP 38:1353,2015

★★★weara元担当のすずまりさんと、らいらさんの記事を「weara blog編集部」としてこちらのアカウントにまとめています。★★★