アプリデザインが「プロダクトデザイン」と呼ばれる理由
はじめまして。
weara開発チームメンバーでアートディレクターの堤謙太郎と申します。
このプロジェクトでは、アプリデザイン、パッケージデザイン、サイトデザインなど、wearaに関するあらゆるデザインをトータルで担っています。
普段はトリニティの「Simplism」のパッケージなどもデザインさせていただいています。
wearaのプロジェクトに関わろうと思ったきっかけは、Hossyさんからの声かけでした。アプリデザインだけは未経験だったので、はじめは僕の知り合いのスペイン人で、UI/UX専門のデザイナーを紹介したのですが、価格が高すぎて断念…(笑)
海外のUI/UXデザイナーは、日本と違って地位が高く引き合いも多いからか、かなり単価を高く設定しているようです。そこで、僕から「自分はデザイン側のアプローチでアイデアをたくさん出せる」「SimplismでHossyと関係性を築けているので、デザインの好みも把握していける」とアピールして、アプリも含めたトータルデザインをやらせていただくことになりました。なにより、アプリデザインはおもしろそうでした。2018年春の話です。
アプリデザインは想像以上に難しくて大変です。デザイン自体が平面デザインではなく、ファンクションそのものだからです。
アプリはユーザーの使用が前提であり、その使用感に対してどのような体験を与えるかが重要になってきます。
たとえば、データを見せるグラフは、ただきれいに表示させたらいいものではありません。
画面遷移も使っていて違和感のないようこだわる必要があります。
アプリはスマートフォン上で動くものなので、一見グラフィックデザインのように思えますが、むしろ思想はプロダクトデザインに近いかもしれません。
実際に、InstagramのUI/UXデザインチームは「プロダクトチーム」と呼ばれています。
トップデザイナーのイアン・スパルターは、もともとNikeのウェアラブルデバイス「FuelBand」(現在は開発終了)をデザインした人でもあります。
この人がどれだけすごいかというと、ウェアラブルデバイスにおいて「目標を設定して、それをクリアする」という体験を始めてデザインした人物、と紹介すればわかりやすいでしょうか。
彼は米国外で初めて、Instagramのプロダクトチーム(デザインチーム)のひとつを日本に置いたくらい、日本好きでもあります。
Netflixの「アート・オブ・デザイン」という番組で彼のエピソードがあるので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
iPhoneやiPadの「iOS」、Instagram、Pinterest…。
デジタルだけれど”プロダクト”と呼ばれるものが出てきている時代です。
このタイミングでwearaの”プロダクト”デザインに関われたのはありがたい経験でした。
wearaでは機能ももちろん楽しんでいただきたいですが、製品、アプリ、パッケージなど、こだわりのデザインにも少し目を向けていただければうれしいです。